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2021年6月13日 (日)

哀れな保存車両

神奈川県立辻堂海浜公園には所用で度々訪れますが、久しぶりに時間があったので保存車両をゆっくり見学してみました。保存車両は公園の西端、交通公園の一角にあります。

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遠目にも相当痛んでいる様子が伺えますが、近づいてみてその哀れな姿に驚きました。

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腐食が進行した前照灯下部は落ちかかっています。

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側面に回って見るとさらにショック。

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もう、修復は無理に近い状態でしょうか。

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ただ錆を落としてパテ塗り、下地処理して再塗装ではとてもとても無理です。

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昭和40年日本車輌東京製造のクハ2658、29年に渡る活躍の後、この地に保存されて既に27年です。

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自由に出入りできる車内は、外部に比べれば傷んでいないように見えます。

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立ち入ることが出来ないお陰で、運転台はほこりを被ってもいても痛んでいません。

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それにしても、この状態を晒しているのには心が痛みます。代替車両にするにも、解体して搬出するにしても既に公園遊具が設置されているため、搬出経路が確保しづらい状況です。課題山積の中、時間だけが過ぎて行きます。

因みに探したら見つかりました。2658Fが元気に活躍していた時代の記録が。

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柿生-新百合ヶ丘間を行く上り準急の姿。ポジが大分変色していましたが何とか。思えばリバーサルフィルムが高価だった時代に良く撮っていたと思います。今ではこの場所での撮影も出来なくなってしまいました。

 

 

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鉄道(小田急)」カテゴリの記事

コメント

それにしてもひどい状態ですね。海浜公園のHPの写真はきれいな状態で写っているようですが・・・。(かなり前に撮影されたのでしょう)
海岸が近いので、あの展示状態ではよほど手入れをしないと、きれいな状態の保存は無理でしょうね。
交通展示館にはシュミレターやジオラマがあるのですね。所用はこのジオラマの車両点検ですか。

八千代運転所 さま
公園は神奈川県の財産ですが、管理は指定事業者として公益財団法人である神奈川県公園協会が受託しています。コロナ禍で税収も減りる中、思うように行かないのが悲しい限りです。

 なんとも、悲しい姿ですね。保存といえば聞こえがいいですが、これでは、ただもらったものを放置しているとしか言いようがありません。手入れをしての保存なので、これでは持ってくる前に解体してしまった方が幸せなように感じます。
 川口に保存してあった(こちらも放置状態だったようですが)京急230のように、小田急で戻して修復でもしてくれないと、ただ鉄くずが置いてあるだけ。近いうちに立いり禁止になりそうな感じです。

鉄道車輛は基本的に雨ざらしで使用されるので環境的には似ていると思いますが、やはり動かないことによる影響が大きいようですね。
走行による振動や通風で溜まっていた雨水が吹き飛んだり蒸発したり、錆びの元になる溜まっていた細かい砂や塵が水が流れることで自然に除去されるようです。いくら古い車輛でもアマドイから草が生えたりしませんね。
静態保存であるとこのような作用がないので、余計に寿命を縮めるようです。せめて屋根付きにでもしないと・・・

◆ 工房5丁目 さま
考えてみれば「保存」の定義も再考しないといけませんね。遊具の園長のようなカタチを保存と言って良いのかどうか?
この車両を見た子どもが小田急に「可哀想だから修繕してください」と手紙を出したと報道されていた記憶がありますが、小田急側は管理者は神奈川県なので当社に要求されても・・・と困惑しています。
その小田急は黄/青塗装に戻した2670を保存していますしね。



◆ 阪鉄車輛 さま
仰るとおりですが、もともと「保存」目的では無く、結果として「残ってしまった」車両なのでね。工房5丁目さまへのコメントに記載した通りです。

余りにも無残な姿に目を背けたくなりました。保存する側の気持ちの持ち様が分かる気がします。仙台の近くの利府町の公園のED9111も似たような状態だそうで、今後が気掛かりです。新幹線車両センターに保存されていた交流電気も全て解体されてしまい、ただ1輛だけED781が日立製作所水戸事業所に移管されたお陰で、綺麗で大事に保存されていて、見る度に安堵します。

きぬやまスカンク さま
よく考えてみれば、この種の一見「保存」されている車両の殆どは、そもそも目的が保存ではないのだと思います。
いらなくなったなら客寄せのために使わせて貰おうという程度で、決して保存する気などサラサラ無いのだと思います。
少なくとも保存意思があれば、劣化させない対策が採られていなければ。
残念ですが解体が良いですが、その費用も無いようで・・・。

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