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2021年11月13日 (土)

鉄道模型史の保存

我家には“捨てられないもの”が少なくありませんが、中でもOER3001氏の鉄道模型史に関連するものは特別です。

過去には初めて作ったペーパー車体の0番小田急とか、プラキットのクロ151も紹介していましたが、今回は1981(昭和56)年に完成させたペーパー自作の小田急3100形NSE誕生秘話ということで。

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ここに至る最初はこれでした。最初から完成させる気は無く、あくまで先頭部の試作第1号だったので、塗装なんてフリーハンドでペタペタ。

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動力も斯様な柔なギアボックスを用い、棒形モーターでの駆動を試みていました。

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展望室天井となる屋根板には、「試作No.1 65.3.30」とあるので、1965(昭和40)年の作でした。先頭部だけの試作の予定が、その後方も屋根板を継ぎ足して作っています。

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この後、様々な先頭部の成形が試みられています。第2号がこれ。パテで成形した後に電照式ヘッドマークと前照灯ケーシング部を抜く方法だったようです。

No2

第3号も同様ながら、丸める前の展開状態での切り込み位置を変えていました。センターピラーを立てて検討していたようです。

No3

第4号ではパテ塗り、成形前なので、切り込みの様子が良く判ります。電照式ヘッドマークや前照灯ケーシング部は最初から抜いています。

No4

第5号は、第4号とほぼ同じようですが、第3号で試みたセンターピラーと共に、バルサ材成形の屋根を乗せています。

No5

第6号で、漸くイメージが掴めたようでした。

No6

第2号(左端)から第6号まで、モックアップを並べてみました。第6号には6月12日と記載してあることから、この年は3ヶ月もこの製作法を検討していたようです。

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そして本製作となったこれが完成したのが1981(昭和56)年ですから、途中放置も経て、15年越しでの完成と言うことになります。

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最終的に、前照灯ケーシングはペーパーを諦め真鍮板に変更、併せてスカートも真鍮製となりました。

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センターピラー含むパノラマウインドウのサッシは、ヘッドマークの縁取りと共に洋白線となりました。

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これらのモックアップ製作を経なければ完成させられなかったNSE、完成模型と共に、試作モックアップも大切に残したいのです。

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モックアップの裏に記載された日付も、その歴史を伝えてくれています。

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近年の完成品は外観は良いし、誰でもそれなりの対価を払えば手にできますが、こうして悩みながらやっと完成させた自作品の方が、遙かに価値ある一品だと思うのは自己満足ですね。

 

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コメント

拝読してると自然に「恐れ入りました」と頭が下がります~自分みたいにいつもやっつけ仕事で強引に作ってる輩にはとても真似できません~へヘイヘイヘイと引き下がりますです。

すばらしい思い入れですね。きっと目に入れても痛くない1台(編成?)でしょう。

 いや〜歴史と文化が凝縮したストーリーですね!
モックアップも保存しているとは、本当にOER模型博物館できますね。それにしてもNSEカッコいいです、お金では買えない素晴らしさ!

◆ Cedar さま
とんでもございません。過分なメッセージに恐れ入ります。
当時は、世間に無く欲しいものは自ら作るしかなかったので、必死だっただけです。

◆ ぼっちぼち さま
はい、仰る通り目に入れても・・・です。いや、やっぱり痛いですよ、それは(笑)。

◆ チャッピー さま
ありがとうございます。文化までは?ですが。
私設「OER模型博物館」良いかも知れませんね。我家の片隅で開館しましょうか。

 試作品が全部残っているのは凄い。1965年だと瞬間接着材だとかエポキシ系の接着材は存在していたかな。

◆ モハメイドペーパー さま
良いことにお気づきで。ユン間接着剤などというもの、当時は生まれていませんでしたし、エポキシ接着剤はどうだったろうか? あったとしても30分硬化くらいだったかも知れず、モックアップに使っていたのは“セメダインC”とラッカーパテ、ラッカーサフェサーくらいでしたね。

試作品をこれだけ残しているのは凄いですね。これだけ苦労して作っているのですから雑誌社から作成依頼も来るのですね。
雑誌で何度か、お名前を拝見していますので・・・。
接着剤のセメダインC、懐かしいですね。昔の製作記(〇〇の作り方)には、何でも「セメダインCを使って接着してください。」とありましたね。
黄色いチューブで、キャップが赤で、先が尖っていました。

◆ 八千代運転所 さま
ありがとうございます。作りたくて作りたくて、何度もトライしてきただけに、その証が捨てられずに半世紀経ってしまっただけです。模型製作の材料も、随分変化してきましたね。

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