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2023年2月14日 (火)

撮影地は何処か?

長年にわたって大切に保管していた写真もデジタル化して保存することにし、少しづづスキャンニングしていた次第です。

その中、OER3001氏が生まれる前に撮影されたこの一枚。既に故人となられたY.T氏から頂いたものと思いますが、プリントの裏には「デユニ1002 昭和23.9.15 稲田登戸」とありました。

19480915_1002__30

貴重な一枚なのですが、「稲田登戸」はどうしても納得できないのです。「稲田登戸」駅は1927(昭和2)年4月1日の小田急線開業と同時に開設された駅ですが、1955(昭和30)年4月1日に「向ヶ丘遊園」に改称されています。従てこの写真撮影時は「稲田登戸」で良いのですが、どうも撮影場所を間違えて記載されているのではと思っています。

その理由は・・・、

1.背後の駅舎と思われる建物の屋根形状が異なります。「稲田登戸」駅舎の屋根はギャンブレル屋根です。

2.光線状況から海側(南側)からの撮影と思われます。

3.デユニ1002は、制動管とパンタグラフ位置から、小田原方からの撮影と思われますが、この当時は経堂の転車台で車両の向きを変えていた可能性もあり断定できません。

4.この写真のデユニ1002が、「2」のように海側(南側)からの撮影だとすれば、駅舎らしき建物は山側(北側)にあることとなります。

5.この駅はホーム屋根から待避線をもつ大きな駅ですが、山側に斯様な屋根形状の駅舎を擁する駅。

ということで、さて何処だったのでしょう? 推測できる方、ご教示ください。

 

と書いてから・・・、

左端にある屋根をギャンブレル屋根だとして「稲田登戸」と見た場合、これは海側からの撮影ではなく西日を浴びる山側からの撮影となるが、だとすれば右側(海側)にギャンブレル屋根ではない南口駅舎があったのだろうか?

そうか、南口の小規模な駅舎があったかも知れません。この時代から南北に駅舎があったとすれば、「稲田登戸」駅は凄い駅です。新宿~稲田登戸がサバー区間と呼ばれていたことも理解できます。

 

【その後】

このブログをご覧頂きたお二方からご教示がありました。

古くからの友人KM氏からは、「小田急線沿線の一世紀」なる書籍に掲載されていた複数の写真情報を頂きました。

また、コメントを頂いた下北さわさまのご教示で、国土地理院の「地図・空中写真閲覧サービス」を見ることが出来ました。

その結果、掲載画像は現・向ヶ丘遊園駅で間違いなく、線路の小田原方山側からの撮影であることが確認できた次第です。KMさま、下北さわさま、ご教示ありがとうございました。

 

 

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鉄道(小田急)」カテゴリの記事

コメント

 昭和23年に写真を撮っていたのは凄いことです。
場所の特定ですが、海側の小田原寄りからだとこの角度(車両が左向き)では撮れません。山側の小田原寄りからが正解だと思います。デユニは4番線(上り副本線)に進入するところで、架線からさらにその山側にもう1本、側線があるのがわかります。後にイヘが留置されていた線路でしょう。
 駅舎については歴史的な経緯が確認できませんが、向ヶ丘遊園(遊園地)は鉄道の開業と同時に解説されていますから、南口に駅舎があっても不思議ではないと思います。

◆ モハメイドペーパー さま
心強いメッセージをありがとうございます。
そうですよね、稲田登戸(向ケ丘遊園)駅で間違いないということですね。
時が経つと記憶も途切れますから、斯様な写真があることは素晴らしいことです。一枚の写真からいろいろなことがわかります。

毎回楽しく拝読しております。
面白そうなので少し調べてみました。地図空中写真閲覧サービスから進駐軍が撮った昭和22~23年の現地空中写真が数枚あり、不鮮明ながら様子が判りそうなのはこの1枚でした。
https://mapps.gsi.go.jp/contentsImageDisplay.do?specificationId=1610193&isDetail=true
URL先を出して最初に注意画面が出たら末尾で「同意する」を押し、再度URL先を見ると画像が閲覧できる筈です。諸元は、整理番号=USA、コース番号=M1121-A、写真番号=19、撮影年月日=1948/07/26(昭23)
拡大するとホーム西端南側に小さな建物がある様に見えます。
北側駅本屋に突き当たる引込線に2両?、また登戸連絡線上の4両や、その右方に機関車??2両なども見えて興味深い写真です。撮影地点特定の裏付けになれば幸いです。

◆ 下北さわ さま
そうでしたか、毎回ご覧頂いているとはありがとうございます。
大変素晴らしい情報をご丁寧にご教示いただき、本当にありがとうございます。
南武連絡線まで確認することができ、興味深く拝見させて頂きました。
早速、本文に加筆させて頂きたく存じます。
今後ともよろしくお願い致します。

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