機関車ひろば
鉄道ファンにとっての岳南鉄道は、吉原から岳南江尾までの9.2km、工場地帯を行く路線の電気鉄道という存在ではなかろうか。ED形の電機が多く活躍していたことも記憶に残るものです。
今は富士急行の子会社である岳南鉄道株式会社の鉄道部門を分離した、岳南電車株式会社となっています。因みに親会社である岳南鉄道は鉄道部門は持たず、不動産事業が主たる事業としているので紛らわしいです。
その岳南電車、岳南富士岡駅には「がくてつ機関車ひろば前」という副駅名が付けられています。
元の引込線をそのまま活用、機関車を眺められるウッドデッキを設けて、2021(令和3)年8月にオープンしました。
機関車の間から、岳南富士岡駅に停車した電車を見ることも可能です。入場無料と言うのが嬉しいです。
展示された機関車は4両。もっとも古いのがこのED29 1。 1927(昭和2)年日本車輌製の元豊川鉄道デキ52形。この機関車だけパンタが下げられたままだったのが残念です。
続いては1928(昭和3)年川崎造船製のED50 1。 元上田温泉電軌(現・上田電鉄)のデロ300形で、名古屋鉄道を経て入線した車両で、小田急のデキ1010形(ED1010)とは姉妹機だけに、OER3001氏としては気に入っている機関車です。
3両目はED40 2。次のED40 3と共に松本電気鉄道(現・アルピコ交通)が日本車輛で製造した40t電機。1965(昭和40)年の製造だが、当時の松本電鉄にはED30 1が在籍、末尾をその続番ととしたことから1号機でありながら2となったもの。松本電鉄でのダム工事資材輸送用貨物列車牽引任務終了後の1971(昭和46)年に移籍、翌年から使用されていた車両。
ED40 3は1966(昭和41)年の製造。上の2号機と同様の経緯で入線しています。後年、荷主であった日本製紙のコーポレートデザインになって活躍していました。
このED40形はOER3001氏も好きな車両で、いつかは模型をなどと考えていたものです。1997年に訪問した際には、元小田急の廃車体を横に、検修庫前で佇んでいたものです。
その時から変わらないのはこの富士山の姿だけ。
まあ、しっかり保存されているだけでも良いと思いましょうか。
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