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2024年12月18日 (水)

初めての“教科書”

小学5年生になって間もない頃、OER3001氏が初めて手にしたのがこれでした。

1961(昭和36)年、改訂1版として発行されたTMS特集シリーズ№3「電車と機関車の工作」150円。初版は1957(昭和32)年なので、小学生には解読できない漢字も多く、難しい内容でした。

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トビラを開いた最初のページのこの光景が忘れられませんでした。

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目次を見ると、小田急や京王帝都の沿線育ちの身にとってはイマイチ馴染みのない対象ばかりでしたが、これを“勉強”しないと“大人”になれないと思って、必死で読んだような記憶が。

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小学校の教科書より小さい字、学校で習ったのと違う旧漢字も使われていて、なかなか読みづらいものでした。作者のT.S.K.って何でしょう? 由利 啓さんの「京阪神急行京都線711形の製作」はとにかく凄いものでした。

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漢字が読めなくても図解で解りやすいけど、無~理っていう感じ。

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車体材料は0.6~0.7の真鍮板を使用とありますが、そんな材料はどこで入手できるのか、小学生には手も足も出ません。

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当時はこんな図が描ける方がいらしたのですね。解りやすく、なんとか紙でできないかと考えたものです。

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前照灯、標識灯、アンチクライマーなど、丁寧に図解してあるのですが、製作技術が全く無し。

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下回りに移れば、モーターを直角方向に搭載した扶桑金属のFS台車、詳細な設計図があります。

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こうやって作るのだそうですが、わかるけどできない!

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軸受、バネ、なるほど、こうするのか、凄いなー! と、ただただ感心するばかり。

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おまけに室内の座席まで詳細な設計図が。

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こんな素晴らしい模型作った由利 啓さんという方、アマチュアなのでしょうか? 模型見てみたかったな。

グラフページには参考として同タイプの800形が紹介されています。四日市模型鉄道クラブ・木村義男氏の(ペーパー製)製作だそうです。

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この“教科書”後ろの広告ページ、今は消えてしまった有名店が並んでいます。百貨店の東横が、この時代は池袋にもあったことを明示しています。東横は東急になり、池袋のビルは東武に、渋谷は解体されてと、60年も経てば様変わりです。

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このページも、現存するは天賞堂とTMSだけですね。

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後表紙には売価150円と。電車は近鉄のようだけどフリーかな。並ぶ工具は鉄道模型製作には必須だったのでしょうか。

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何だかんだで気付けば60年もこの道(鉄道模型)に嵌っているけど、やっぱりこの時代の先輩方には追い付けません。

 

 

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コメント

渋谷の東横はカツミの社員が派遣されていたそうです。デパートでは日本橋の白木屋、上野の松坂屋もいろいろ揃っていました。

表紙の手回しドリルがいいですね。本当に必需品でした。HOゲージで二重構造の台車を作ったのでしょうか。是非現物を拝見したい。神わざです。

◆ モハメイドペーパー さま
白木屋も上野松坂屋も、しっかりこの裏ページに広告ありましたよ。
当時は模型は“デパート”で買えましたからね。新宿伊勢丹では丸ノ内線の赤いのが走っていたし。


◆ ぼっちぼち さま
しっかり図面(第6図)をご覧頂ければ、車輪径φ20、軸距54ミリと、1/80ではないことがお判りいただけるかと。

表紙のハンドドリル、バイスに咥え真鍮丸棒をドリルレースし
スティームドーム削った事、思い出しました

阪急の記事、製作記事は711ですが完成写真は801ですね。

◆ ぬか屋 さま
そんな思い出が。残念ながらOER3001氏がドリルレースというのをやったのは電動になってからでした。


◆ Cedar さま
ご指摘ありがとうございます。誤解招くので本文を修正加筆させて頂きました。

「711(セブンイレブン)」という形式を見て「北海道最初の交流専用の国電かな?」と一瞬思ってしまいました(笑)。私からみればOER3001様やモハメイドペーパー様、ぬか屋様も大先輩です。第7図の動力装置はFM-Dギアの御先祖様みたいですね(笑)。
渋谷東急のカツミが閉店する時にセールの完成品を、それでも清水の舞台から飛び降りる心地で買ったことを思い出しました。TMSは今もありますが、中の人は全く代わってしまいましたね。
この改訂版をOER3001様が買われた頃は、私はまだこの世に存在していませんでした。

◆ 所長失格 さま
セブン・イレブンでしたか、なるほど。
渋谷東急のカツミ閉店時、確かOER3001氏も出掛けたような気がしますが、何も買っていなかったようです。そもそも完成品などは買わない、いや買えない身分だったので。

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