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2024年12月16日 (月)

教科書

久しぶりに、この道に入って暫くした頃に出合ったボロボロの1冊を取り出して、つい読み更けてしまいました。1963(昭和38)年発行のTMS特集シリーズ13「電車工作集」です。

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中学生になって間もない頃だったか、それはそれはどれも高尚な作品ばかりで、かなり高度な技術が必要だと思ったものでした。それにしても関西が強いですね。

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東京の中学生の興味は、湘南型80系やこだま型8連に加えて小田急SE車デハ3000形くらいしか無かったのが残念でした。

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それでも、なかお・ゆたか氏による電車の技法はバイブルでした。

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丸妻の繋ぎ方とか、オデコの作り方とか。

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切妻ではない2枚窓正面の作り方など、食い入るように見ていたものです。上は湘南型、中は小田急1700形3次車、下は阪神300形でしょうね。

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床下機器の作り方など、おカネが無い中学生にとっては凄いヒント。なるほど手帳の鉛筆で小さいエアタンク、ブレーキホイールはスナップを使えば良いのだ。

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これらのヒントは充分に取り入れさせてもらったものですが、OER3001氏が一番やってみたかったのは「小田急SE車を作る」でした。

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高尚過ぎてとても手が出ません。連接式で車高が低いだけに動力が課題。オイルジョイント(流体伝導機)の製作なんてとても手がだせるものではありません。

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ただただ眺めるだけで終わっていましたが、それにしても当時の内容は凄いです。今のように殆ど入手できる訳ではないので、懸命に考え、何とかモノにする。先人たちの凄さに驚きます。

 

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鉄道模型」カテゴリの記事

コメント

 我が家にもあります。この前に赤い表紙の「スパイクから運転まで」を買っています。まだ0番でも床下伝導がやっと可能になったという時代ですね。

ぬか屋にも「特集シリーズ」 の「電車と機関車の工作」、「日本型蒸気機関車の製作」、
「たのしい鉄道模型」の3冊残っておりました。
分売パーツが皆無の時代、先輩方の苦労が忍ばれます。

特集シリーズは「作品20題」から始まり、復刻版も交えほぼ全て有ると思います。
車輌工作より「〜ブック」「〜ガイド」「ホーム〜」のレイアウト3冊に嵌っていたのは所詮車輌自作なんて無理!と思ってたから?

「流体伝導機」って、ほとんど実車のトルクコンバーターではないですか!そのような機構、現在でも模型に使われていないです。といっても今は簡単な構造で効率の良い駆動方式がいくらでもありますからね。
モーターにトルコンを組み合わせた実車は、確かクモハ11改造の交流試作車のクモヤ790?とかがありました。
縦型モーターとインサイドギアくらいしかなかった時代の、先輩方の創意工夫がにじみ出ている書籍ですね。

◆ モハメイドペーパー さま
ただでさえTMSがハイレベルな月刊誌だったという印象でしたから、特集シリーズはまさに参考書でしたね。


◆ ぬか屋 さま
3冊だけですか、現存するのは。それでも良い蔵書かと思いますよ。この時代の執筆者、本当に凄いと思いましたね。


◆ Cedar さま
特集シリーズほぼ全てとは、相当な勉強家だったのですね。OER3001氏は入手出来ていないのが残念ですが、それが学力差かな?


◆ 所長失格 さま
そうです、トルコンですよ。当時の学生(この著者はK大だったはず)の知識、創意、熱意は長けていましたね。今とは大違いです。

OER3001 様
ご返信ありがとうございます。
図面をさらに見てみると、トルコンの駆動力を、車軸にベルトとプーリーで伝達していることに後で気が付きました。
当時はギアだけでなく、ベルトやスプリングベルトを利用していたのですね。
今から見ると動力伝達効率が悪そうですが、当時はそのような方法しかなかったということで、興味深いです。

◆ 所長失格 さま
とにかく、この時代の鉄道模型ファンの各氏は凄い方でした。
しかもその“凄い方”が何人も居られたようですから。

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