前回の「南新宿で」に頂いた、この地に思い出のある方々からのコメントに嬉しく思い、それならと調子に乗って記録を辿ってみました。
最初は1968(昭和43)年5月の夕方近く。現在解体中の小田急百貨店ビルを背後に「あしがら」が新宿1号踏切に差し掛かります。NSEはまだ冷房強化工事施行前で、屋根上がすっきりしていた時代です。
この時はNSE(3100形)よりNHE(2600形)のこの色を狙っていたと思います。
NHEは各停に投入されることが主だったので、待てば出会える。何気なく撮った南新宿での1コマから、当時の状況が蘇るようです。
新宿1号踏切には踏切保安掛が常駐、迫り来る列車に振っている旗が確認できますが、これも古の思い出。
続いて1969(昭和44)年の記録。地下ホームから出て来たのは3両編成の4000形ですよ。大都会のターミナルに3両編成が発着していたなんて。左側の貨物ホームには1300形が停車中です。
この年の積雪は2月ではなく3月だったのですね。吊り掛け式駆動のABF車も優等列車で活躍していたのです。1600形×4を先頭にした8両編成が、小田急本社ビルと山野ホールの間を新宿に向かいます。
後は1900形でした。大きくカーブしたホームは前後を踏切に挟まれ、大型6両編成(2600形)は上下列車とも先頭車両はドア締め切りでした。
時を経て1973(昭和48)年7月、長編成化のための新宿駅改良工事たけなわ。地下ホームは閉鎖され、地上3線で全ての列車折り返しを行っていたときでした。地下線アプローチを長くとるため、路盤の掘り下げが行われています。
同時に新・南新宿駅設置工事が進みますが、7月時点ではまだホームの基礎工事。
2か月後の9月になってホームのコンクリート板が置かれ始めました。
それから3カ月で完成するとは、早いものですよね。12月21日に新駅移転となりますが、その5日に前南新宿駅下りホームから撮った写真。こちらに向かって来る列車の位置に、新駅が確認できます。
この日は日没後でしたが、フィルムをトライXにして奮闘していました。小田急本社ビル向かいの南新宿駅舎。当時は代々木八幡や代々木上原、東北沢などと似た、昭和の高度成長期に造られた鉄筋コンクリート製でした。改札口と出札窓口外の自動券売機があった時代だったのですね。
駅舎左の壁面に、移転のお知らせが掲示されていました。
小田急本社ビル前の新宿2号踏切から、その構内を記録しておきました。右が下りホームです。
踏切を渡って下りホーム方から上りホームを。右手前には踏切保安掛が常駐していたのです。
最後に上りホーム先端から参宮橋方向を。
こうしてみると、ついこの前のことと思っていても、半世紀前と言う時代はいろいろな意味で今とは格段の差があるものだと、再認識させられてしまいます。
最後に新・南新宿駅での思い出を。1999(平成11)年7月16日、この日で引退となる3100形NSEの最終列車を撮りに行きました。
振り返って後追いを1枚。下りホーム最後部の危ない所で撮っていた輩が居たのですね。黄色い線どころか白線まで超えて。
オマケは今の南新宿駅を。10両編成対応のホーム幅は狭いものの、全体に上屋が設けられた姿になっているのです。
上りホームから下り列車を撮ると、背後は山野ホールのガラス張り外壁が。
駅舎は線路下に慎ましくです。
南新宿、つい調子に乗ってしまいましたが悪しからず。
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