青梅電気鉄道の香り
今のJR青梅線は、戦時買収によって国有化された路線です。前身は青梅電気鉄道。
762mm軌間で1894(明治27)年、前身の青梅鉄道による立川-青梅間の開業を発端に、路線延長と1908(明治41)年の1,067mm軌間への改軌、1920(大正9)年二俣尾への延伸などを経て1923(大正12)年に直流1,200Vで電化。
1929(昭和4)年に青梅電気鉄道と社名変更とともに御嶽まで延伸の後、1930(昭和5)年に直流1,500Vへ昇圧した、当時は奥多摩で採掘される石灰石輸送を担う私鉄でした。
好天に恵まれたこの日、拝島から乗ったE233系の運転室背後から前方を見ていると、地図上では理解していたつもりでも、青梅線の線路が直線で敷設されていたことに改めて驚きです。
そしてさらに、左側の架線柱形状に目が止まりました。
羽村-小作間だったと思います。三角柱状の鉄柱ではありませんか!
念のため帰路、反対側からも再確認しました。右側の架線柱です。間違いなく三角柱状です。
機会を作って鉄柱に表示されているであろう設置年を確認しなければなりませんが、恐らく青梅電気鉄道が設置した当時のモノだとと思われます。
因みに青梅駅舎は鉄筋コンクリート製の古風な佇まいですが、青梅電気鉄道前身の青梅鉄道が本社ビルとして使用することも企図して1924(大正13)年に建てたものだと言うことです。
駅舎ビルが来年で100年。その前の年の1923(大正12)年に電化されているので、架線柱は100年を超えて現役だったということになります。
本社ビルも架線柱も立派なものだった青梅電気鉄道。戦時買収が無かったら、どんな魅力的な私鉄になっていたでしょうか。
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